淡水の潮風から桃園を越え、夜市の熱気に溶ける2日間

淡水の夕日 TRIP

台湾の旅は、いつも予測不能なリズムで進んでいきます。特に自転車に跨り、自分の脚力だけで地図の空白を埋めていく旅は、五感に飛び込んでくる情報の解像度が格段に違います。

今回は、淡水から八里(バリ) への渡船、空港への潜入、そして絶望的な峠越えの先に待っていた美食まで。濃厚な2日間の記録を綴ります。

本編

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「1日目」海を渡り、巨大な翼の休息地へ船に揺られてショートカット。淡水からバリへの短い航海

午前10時、ホテルで淹れたてのコーヒーを流し込み、少し遅めのスタートを切りました。淡水の朝は、穏やかな海風が街の活気を運んできます。

最初に向かうは対岸の八里。グーグルナビは大きく迂回するルートを指し示していましたが、私はあえて「フェリーに自転車を載せる」という選択をしました。

「本当に自転車は載せられるのか?」という不安を抱えながら無事チケットを購入、45元のチケットを握りしめ桟橋へ。目の前に現れたのは、船首がガバッと口を開ける独特なスタイルのフェリーでした。バイクと一緒に自転車を押し進め、デッキへ。船内に流れ込む少し濁った潮水の匂いと、ディーゼルエンジンの腹に響く振動。わずか5分ほどの航海ですが、水面から眺める台湾の街並みは、陸路では決して味わえない開放感に満ちていました。

空港へ自転車で潜入。高架下の静寂とちまきの誘惑

八里へ上陸してからは、ひたすら南下を続けます。重すぎる荷物に「いっそ郵便局から日本へ送り返してしまおうか」と弱音が漏れるほど、ペダルは重い。しかし、この日のミッションは「桃園国際空港に自転車で入れるのか?」という実験でした。

巨大なコンクリートの柱が並ぶ高架下の道を、ひたすら無心で漕ぎ進めます。時折、頭上を掠める飛行機の轟音が、目的地が近いことを教えてくれます。

ふと立ち寄ったセブン-イレブン。台湾のコンビニは、店内に漂う「八角」の香りが旅情を誘います。そこで手にした「ちまき」が、この日の朝食でした。竹の皮を剥くと、中から現れたのは醤油色の艶やかなもち米。蒸したての熱さと、中に閉じ込められた肉の旨みが、疲弊した身体の細胞一つ一つに染み渡るようでした。

ようやく辿り着いた桃園空港第1ターミナル。そもそも今まで自転車で空港内を走っている人を見たことがなかった為、巨大な近代建築の前に、ブロンプトンを停めた時は、空港内に自転車で入れるだと安堵しました。
これで帰りは空港で梱包する計画で行きます。梱包してから電車とかに押せるパターンは行きだけで懲り懲りです(W)

その後中壢区内のドミトリーへGO

「2日目」Googleマップの絶景高評価スポットに!やはり峠越え!

やはり絶景は峠越えだよね…

2日目は一転して、内陸の山岳地帯へと駒を進めました。昨夜、ホテルで出会った日本語が堪能な旅人との会話を思い出しながら、清々しい朝の空気を切り裂いて進みます。

しかし、自然は甘くありませんでした。Googleマップの「高評価スポット」を目指した先に待っていたのは、やはり急勾配。

数メートル登っただけで、心臓の鼓動が耳元で鳴り響きます。「これは無理だ」。潔く自転車を降り、重い車体を押して一歩一歩、アスファルトを踏み締めます。スクーターが軽快な音を立てて追い抜いていく中、額から流れる汗が地面を叩く。この「泥臭さ」こそが、自分の身体で距離を稼ぐ旅の醍醐味です。

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霧のダム湖と、沈黙を破る美食

峠を越えた先に広がっていたのは、深い緑に囲まれたダム湖でした。展望台から見下ろす景色は、所々霧が立ち込め、まるで水墨画のような静謐な美しさを湛えています。さっきまでの苦しみはこの景色を見るための「前振り」だったのかと、思わず息を呑みました。

そして、空腹が限界に達した頃に辿り着いた一軒の食堂。

言葉もよく分からないまま注文したのは、巨大な「骨付き肉」と「麺料理」。運ばれてきた器の圧倒的なボリュームに言葉を失いました。ワイルドに盛り付けられた肉を噛みしめると、骨の周りの一番旨い部分が口いっぱいに広がります。骨をかわしながら無心で貪るその時間は、まさに至福の時間。220元の支払いは後悔の無い価格でした。

宵闇の熱気。夜市の灯りに引き寄せられて

一日の終わり、夕闇に包まれ始めた街のあちこちから、美味しそうな香りが立ち上り始めます。

辿り着いたのは、観光地化されすぎていない、地元の人々のための小さな夜市。バイクの駐車場がショッピングモールのように埋め尽くされている光景は、まさに台湾の日常そのものです。

「焼きおにぎり」の屋台から立ち上る香ばしい醤油の匂い、明太子を贅沢に使ったスナック。3個で100元の小皿料理を手に、人混みの熱気の中を歩く。言葉は通じなくても、店主の笑顔と、一口食べた瞬間の「うまい!」という表情だけで、すべてが繋がる気がしました。

台湾の道は、ペダルを漕いだ分だけ、美味しいものと温かい出会いを用意して待っていてくれます。

まとめ:地図にない感触を探して

自転車旅。筋肉痛と日焼け、そして自分の体力のなさを痛感しましたが、そのすべてが「台湾を直に楽しんだ」ような、確かな手応えとして残っています。

文明の利器を使って効率よく回る旅も素敵ですが、あえて自分の足で坂を登り、迷い、地元の人と同じものを食べる。そんな「不自由な旅」の中にこそ、忘れられない景色が隠れているのかもしれません。

次に台湾を訪れる時は、あなたも少しだけ「回り道」を選んでみませんか?

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